OCCLUSION 噛み合わせのお悩み

顎関節症の主な症状

• 顎運動時の痛み

  顎関節症の症状として、口を開閉するときや食事で食べ物を噛むときなどに痛みが出ることがあります。痛みが起こる部位を細かく見ると、顎間接自体であることや咬筋、側頭筋などが原因箇所として挙げられます。患者さんにとっては細かく判別できないことが多いので、当クリニックではまず検査・診断を正確に行うことから始めます。

• 開口障害

  口を開閉しにくくなるのは顎関節症の症状のひとつです。顎の関節円盤という部位がずれると顎の開閉が困難になります。人差し指から薬指までの3本を縦にして、それが入る程度口を開けることが難しければ、診療を受けることを考えたほうが良いでしょう。早期であるほど治療が容易なので、まずは当クリニックにご相談ください。

• 顎運動時の雑音

  あくびなどで口をあけると「カクン」と音がする、顎の開閉時に「カクカク」または「シャリシャリ」などの音や「ぐにゅっ」という音がすることもあります。このような音がする場合は顎関節症の可能性が高く、ある程度進行しているケースもあるので、早めにご相談ください。当クリニックは状態に応じていくつかの治療方法を提案できます。

スプリント療法

プラスチックで作ったスプリント（マウスピース状の装置）を装着する治療方法です。
顎関節症の治療方法として非常に一般的で、顎の関節にかける負担を減らす効果があります。スプリントはフィットすることが重要なので、患者さんごとに型どりをして個人専用のものを作製します。

• メリット

  • 歯の摩耗を防止できます
  • 食いしばりの負荷を緩和することができます
  • 噛み合わせを適切に調整することができます

• デメリット

  • 初期には違和感があり、痛みや口が乾く感覚が出ることがあります
  • メインテナンスのため定期的に通院していただきます
  • 清潔に使うための清掃が必要です

ボツリヌス菌注入治療

当クリニックは、治りにくい顎関節症に対して、緊張が激しい筋肉にボツリヌス菌を注入して負荷を弱めるという治療方法も扱っています。
食いしばりや歯ぎしりが強いと歯周病が進行しやすい傾向がありますが、ボツリヌス菌注入治療は噛むときに発生する強い負荷を低減できますので、歯周病の悪化防止作用も期待できます。

• メリット

  • 注入治療後はすぐ普通の生活ができます
  • 装置を取り付ける種類の治療法ではないのでわずらわしさがありません
  • 痛みは注入時に少し感じる程度です

• デメリット

  • 人によっては額へ注入した際、目を開くと重さを感じることがあります
  • 一時的に顔の表情に違和感が出る可能性があります
  • ボトックスの効果は一時的なので、定期的な治療と運動で効果が持続します

歯を一つの「器官」として考える

全顎治療はフルマウスリコンストラクションと呼ばれ、一口腔単位で治療方法を考えることです。むし歯を治療して詰め物や被せ物を装着するといった局所的な治療ではなく、むし歯・歯周病・審美面・噛みあわせ・顎関節を考慮して「個々人に適した治療」を計画することで、長期的な口腔内の健康を実現するために行います。

顎機能に調和した矯正を行わないとどうなるのか

「歯」は一本で機能するものではなく、全体のバランスを取って食事や動作時に歯を食いしばって力を入れやすくするなどの役割を担っています。
そのため、一口腔単位で治療を進める全顎治療（フルマウスリコンストラクション）は、長期的な健康維持のために非常に重要な考え方です。

全顎治療のメリットデメリット

• メリット

  • 多様な観点から治療プランを立てるので口腔内の総合的健康が得られます

• デメリット

  • 局部だけに着目する治療より期間を要する場合があります